文書作成日:2019/07/04
未成年の精神疾患の患者数、15年で2倍に
今回は、厚生労働省の中央社会保険医療協議会の総会(第412回、平成31年4月10日開催)の資料より、未成年の精神疾患の現状について注目したいと思います。
「平成29年患者調査」をもとに、未成年の年齢ごとの受診理由(歯科の傷病を除く)をまとめたものを確認すると、以下の特徴が見られました。
- 4歳までは精神障害に関する項目は見られないものの、5歳以降では「その他の精神及び行動の障害」が4番目にあがってきていた
- 15〜19歳においては7番目に「神経性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」が入っていた
次に、未成年の精神疾患総患者数に注目しますと、注目されるのが総数の伸びです。
厚生労働省の「患者調査」より厚生労働省障害保健福祉部が作成したグラフによれば、平成29年での総数は27.6万人ありました。平成14年が13.9万人ですので、15年間で約2倍に増えたことが分かります。
内訳では、「その他の精神及び行動の障害」が平成11年の2.2万人から平成29年の17.8万人へと著しい増加を見せており、平成29年の精神疾患総患者数の約3分の2を占めています。具体的な障害内容は明らかになっていませんが、統合失調症や気分障害、神経症性障害、てんかん等に分類されない症例が増えていることが分かりました。
今回ご紹介した数値等は、2020年度診療報酬改定に向けた検討を開始している厚生労働省の中医協総会の中で紹介されています。同会資料は、以下のサイトにてご確認ください。
厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第412回)」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
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